【知られざる学び舎】江田島・光源寺が繋ぐ、「寺子屋」の歴史と現代に生きる教え

光源寺で開催される、えたじま手づくり市 寺院

広島湾に浮かぶ江田島(えたじま)は、古くから海上交通の要衝であり、近代には旧海軍兵学校が置かれたことでも知られています。

その江田島の静かな地に、浄土真宗本願寺派の寺院である光源寺(こうげんじ)はあります。

光源寺は、単に供養や仏事を行う場所としてだけでなく、長きにわたり地域住民の生活と学びの中心として重要な役割を果たしてきました。

特に、江戸時代から明治初期にかけての寺院の役割を知る上で、光源寺の存在は欠かせません。


江戸時代に根付いた「寺子屋」の機能

江戸時代、一般庶民にとって読み書きや算盤(そろばん)を学ぶ場といえば、多くの場合が「寺子屋(てらこや)」でした。

これは、藩校のような武士階級のための学校とは異なり、寺院の境内などを利用して開かれた私塾です。

光源寺もまた、当時の江田島において地域の子供たちに教育を施す「学び舎(まなびや)」としての役割を担っていました。

光源寺の寺子屋では、当時の生活に必要な読み書き、計算(算盤)、そして基本的な仏教の教えや道徳を教えていました。

光源寺は、厳しい時代の中で、江田島の子供たちが新しい知識と、人として大切な倫理観を身につけるための貴重な教育拠点だったのです。


現代に受け継がれる「学び」と「地域貢献」

公立の学校制度が整った現代において、寺子屋は姿を消しました。

しかし、光源寺が育んできた「学び」と「地域貢献」の精神は、今も形を変えて受け継がれています。

光源寺が地域に向けて行っている活動の例

  • 寺子屋体験: 子供たちが集まり、読経や写経、精進料理の調理や清掃といった日常の仏道修行を体験します。礼儀や作法はもちろん、お寺が持つ役割や精神を実体験として学ぶことができます。
  • 「えたじま手づくり市」: 光源寺で定期的に開かれる交流市。地域の幅広い世代の人々を結びつけ、交流を深める場としての役割を果たしています。
  • お朝事(おあさじ): 365日毎朝お寺で法話が行われており、誰でもお参りすることができます。法話の様子は光源寺のYouTubeチャンネルでライブ配信され、直接お寺に足を運べない方も、リモートでお参りすることが可能です。

まとめ:光源寺が示す寺院の役割

光源寺は、かつて「寺子屋」として江田島の未来を担う人材を育て、現代では「心の学び舎」として地域を支えています。

歴史を知り、教えを学ぶ。

この寺院の歩みは、寺が単なる過去の遺産ではなく、常に人々の生活に寄り添い、精神的な豊かさと成長を促す場所であり続けていることを示しています。

江田島を訪れる際は、ぜひ光源寺の歴史に触れ、その静寂な空間で心を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

浄土真宗本願寺派 光源寺
住所:〒737-2303 広島県江田島市能美町高田3093-1
公式HP:https://www.kougenji.org/

※この記事に掲載している画像はイメージです。実際の団体、個人、建物、商品などとは異なる場合があります。


僧侶のコメント
僧侶のコメント

時代を超えて「学び舎」としての役割を続けていること、まことに慶ばしいことです。
特に、お朝事を毎日欠かさず行い、それを広く配信されている姿勢は、信仰の場として地域に開かれている証でしょう。

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